チャームポイントを探せ!

新聞の折り込みチラシの不動産広告を見ていると、どれも同じようなデザイン、トーン&マナーで、どの広告がどの会社なのかまったく区別がつかなかったりしませんか?

商品はマンションだったり、建売住宅だったりするので、物件が気に入れば扱う会社はどこでもいいじゃん、というのもあるかもしれません。

確かにどれもとてもキレイにデザインされ、「上質な暮らし」というイメージを正しく表現しています。

写真の見せ方、フォントの選び方、キャッチコピーの文体、カラー設計に至るまで、すべてがよく似ていて、A社のチラシもB社のチラシも同じ人がつくったのかと思うくらいです。

きっとマーケティング的にはこれが正しかったりするのでしょう。

でも、正しいだけのものってちょっとつまらないなと思うのです。

私は残念ながらマンションを購入する予定はみじんもありませんが、思わず釘付けになるようなユニークなチラシには俄然興味が湧きます。

どんな会社だろうとホームページを探して、その会社が扱っている他の物件を見たりします。

商品が「家」じゃなくて「まんじゅう」だったら速攻で購入しているかもしれません。

これがそのブランドのファンになるきっかけになったりするわけです。

 

Webサイト制作のヒアリングで、クライアントさんに目指すデザインイメージを尋ねると、「これと同じ感じでお願いします」と躊躇することもなく同業者のホームページを提示する人がいます。

驚くことに、結構な割合でいたりします。

歯医者さんは見るからに歯医者さんらしいサイト
税理士さんは税理士さんらしいサイト
ITベンチャーはITベンチャーらしいサイト
文化施設は文化施設らしいサイト

いかにもその事業らしい、その事業にしか見えないステレオタイプなイメージや、競合他社と同じようなイメージを希望されることに驚きます。

確かに、その職業らしい、その業界らしい、というのは大切なことです。

歯医者さんなのに遊園地のようなWebサイトだったら、訪れた人は混乱するし、まずこの先生に自分の大切な歯の治療を委ねようと思ったりしません。(個人的にはそのチャレンジ精神は買いますが)

なので、大きな枠での「その職業らしさ」というのは外せない要素です。

でもそれ以上に、その人らしい、その人独自の「個性」が重要ではないかと思うのです。

それがブランドづくりのキモだと私は考えます。

これまで何度か述べてきたように、ブランディングにとって大切なのは「独自性」を打ち出すこと、絶対的な個性や価値を確立させていくことだからです。

誰かと似たデザイン、どこかでみたようなWebサイトでは、ブランドにはなり得ません。

もしかしたら、その人らしさを出すためには、遊園地まではいかなくとも、一見歯医者さんらしくないアプローチにした方がよかったりする場合もあります。

「泣く子も黙る歯医者さん」
「治療の間宇宙旅行ができる歯医者さん」
「オペレーションがマジックのような歯医者さん」

面白いですよね?
私ならちょっと行ってみたいと思います。

もちろん、腕が悪ければ二度と足を運ぶことはないというのは世の常なので、そこは水準をクリアしている、ということが前提です。

みんなが”技術と信頼の”歯科でなくてもよいではないですか。

石を投げれば”技術と信頼の”歯医者さんに当たる世界よりも、個性豊かな歯医者さんが溢れる世界に私は住みたいです。

 

仕事を通してさまざまな経営者と接する機会がありますが、なかなか個性をだそうとしない人が多いように思うのです。

不動産は不動産らしく、銀行員は銀行員らしく、という風潮が日本にはあります。
なるべく人と同じであることが望ましいという日本人の気質もあるのかもしれません。

「こんなにユニークな特徴をもっているのだから、それを活かしたこんなアプローチをしてみませんか?」
というような提案をしたとします。

「面白いとは思うんだけど・・・」

そう。面白がってはくれるんですよね。
でも次にくる言葉はこんな感じ。

「でも、目立ちたくないんだよね。同業者の目もあるし。普通でいいだよね」

いやいや。「集客が難しい」「もっとたくさんの人に見てもらいたい」と悩んでいるのに、普通でいいってこれいかに?

競合他社と同じような雰囲気の無難なWebサイトをつくることで、問題が解決するとは思えません。

そして、誰かのマネだったり、オリジナリティのないものはブランドにはなりえない。

ちょっとはずれていても、ヘンテコでも、人の心の動くもの、見た人が思わず手にとってしまいたくなるもの、もう一度見たくなるもの、そうしたものを一緒につくりたい、と私は思うのです。

どこかの誰かと同じではなくて、その人独自のユニークで、けれども「本質」が伝わるもの、そして、未来の可能性が感じられるものをこの世界にたくさん生み出していきたい。

だから、「目立ってもいいじゃないですか」と私は言いたい。

目立つ部分はチャームポイントになると私は思うのです。

その人らしさ、その企業らしさをとことん追求した結果「目立ってしまう」部分は、まちがいなくチャームポイントです。

そこは思う存分アピールしてしまいましょう!と思うわけです。

自社のつよみが明確に答えられない経営トップが多い、とよく耳にしますが、それは、つよみやチャームポイントがわからない、のではなく、それを探そうとしない、または、それを提示することに抵抗があるという人が多いのではないかなと思います。

しかし、他社と似たような技術、似たような商品、似たような広告から脱却しない限り、ファンをつくり愛されるブランドを目指すのは難しいといえます。

まずは、あなたのチャームポイントを探しましょう!

 

★こちらの記事もどうぞ